【第39話】書き直すたび、自分に近づいていく
「また書き直しか…」
何度目かわからないエントリーシートの修正に、光は机に突っ伏しそうになった。
でも、よく考えてみたら、最初に書いた文章と今の文章では、まるで別物だ。
はじめは、表面的な言葉ばかりだった。誰かに褒められそうな文を、ただ並べていただけ。
でも今は、自分の言葉で、自分の経験を語れている気がする。時間はかかったけど、それだけ深く自分を見つめられた証拠だ。
「書き直すこと」は失敗じゃない。自分を理解する旅の、ひとつのプロセス。
そう思うと、目の前の白紙も、ちょっとだけ優しく見えてきた。
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