【第37話】他人の言葉に、自分を重ねすぎないで
「こんなことでアピールになるのかな…」
志望動機を書いていた瑛太は、SNSで流れてきた「模範解答」を読んで落ち込んだ。
熱意あふれる言葉、具体的なエピソード、完璧な構成。自分の書いた文章が、急に幼く、頼りなく思えてくる。
でも、ふと気づく。「この文章、ほんとうにその人の言葉なんだろうか?」
誰かの成功例をなぞっても、それは“その人らしさ”であって、自分のものじゃない。
大切なのは、派手さや上手さじゃない。自分の思いを、自分の言葉で語ること。
「不器用でも、嘘じゃない言葉を書こう」
そう思って書き直した文には、少しだけ強さが宿っていた。
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