【第30話】「伝えたいこと」がひとつに絞れない
自己PR欄に書きたいことが、いくつも頭に浮かぶ。
バイトで学んだ責任感、ゼミでの調査活動、サークルでのリーダー経験――
全部伝えたい。でも、すべてを詰め込もうとするほど、言いたいことがぼやけていった。
「全部がんばってきたのに、どれかを削るなんてもったいない」
そう思いながら、何度も書いては消し、紙が何枚もくしゃくしゃになっていく。
そんなとき、ふと手元のメモに目がとまった。
そこには、就活を始めたときに自分が書いたひとこと。
《自分の強み=相手の立場で考えられること》
それを起点に、俊は文章を組み直しはじめた。
全部を語る必要はない。いちばん伝えたい“核”があれば、それでいい。
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