2025年6月24日火曜日

履歴書・エントリーシートの作成)【第34話】空白を見つめる時間

【第34話】空白を見つめる時間


 「趣味・特技」の欄が、ぽっかりと空いている。

 椿は、ペンを握ったまま動けなくなっていた。

 周りの友達はみんな、スポーツや資格の話を書いている。自分には、そんな立派なものなんてない。そう思うと、空欄がどんどん重たくなっていく。

 だけど、椿は少しずつ思い出していった。小さなころから続けていた朝のラジオ体操、毎週録画して観ているドラマ、友達の誕生日に手紙を送る習慣。

 「……これも、“自分らしさ”かも」

 特技じゃなくていい。好きなこと、大切にしてることを、まっすぐに書いてみよう。

 椿はゆっくりと、一文字ずつ書き始めた。空欄が、自分の言葉で埋まっていくのが、なんだかうれしかった。

0 件のコメント:

コメントを投稿

就活物語|職場 人間関係|笑顔で「おはよう」が言えた朝

 入社したばかりの頃は、朝、会社へ着くだけで緊張していた。 誰と話せばいいのか。 どんな表情でいればいいのか。 そんなことばかり考えていた。  けれど、一か月近くが過ぎたある朝。 エレベーターで一緒になった先輩に、「おはようございます。」 自然に声をかけることができた。 先輩も笑...